今回は、主に法人税等に対する税制改正内容をまとめたいと思います。
法人税
①法人の事業承継税制特例措置
特例承継計画の提出期限を令和8年3月から令和9年12月まで延長。
ただし、特例措置の適用は令和9年12月までの相続贈与で延長なし。
②中小企業の少額減価償却資産
即時償却可能な減価償却資産について、1つにつき30万円から40万円へ引上げ。
従業員400人以上の法人は適用除外へ。
年間300万円まで。令和8年4月1日以降から適用。
③賃上げ税制の見直し
全法人向けは、令和8年3月31日で廃止。
中小企業向けは、現状維持だが、教育訓練費の上乗せは廃止。
消費税
①2割特例を3割特例にして個人事業主のみ延長
免税事業者であった者が、インボイス制度導入により適格請求書発行事業者になった個人事業主で、課税売上にかかる消費税額の3割を納税すればよい3割特例へ。
令和10年度まで適用。(個人事業主は、令和9・10年分申告に適用)。
法人は、2割特例の延長なし、令和8年10月開始の課税期間以降は、簡易課税ならみなし仕入率で消費税納税額を計算。
②免税事業者からの仕入れ等の控除割合緩和・延長
免税事業者からの仕入れ等についての消費税相当額控除の経過措置を以下のように控除割合を当初より緩和し、適用期間も延長。
| 適用期間 | 控除割合 |
| 令和8年10月1日から令和10年9月30日まで | 消費税相当額の70% |
| 令和10年10月1日から令和12年9月30日まで | 消費税相当額の50% |
| 令和12年10月1日から令和13年9月30日まで | 消費税相当額の30% |
| 令和13年10月1日以降 | 控除不可 |
ただし、一つの免税事業者からの課税仕入れ等が年1億円超の部分は、適用対象外で、令和8年10月1日以降に開始する課税期間から適用。
③暗号資産譲渡の消費税取扱い
金融商品取引法改正後は、有価証券としての取扱い。
暗号資産の譲渡、貸付については、非課税取引へ。
譲渡対価の5%を非課税売上として課税売上割合に算入。
金融商品取引法改正の翌年1月1日以降の譲渡から適用。
その他
①ふるさと納税の控除上限額設定
| 道府県民税 | 772,000円 |
| 市町村民税 | 1,158,000円 |
給与収入で1億円が控除上限の目安に10年分の住民税から適用。
②富裕層への課税強化
極めて高い水準の所得への追加課税
令和9年分の所得税から適用。
③相続開始5年以内に取得した貸付用不動産の相続税評価
課税時期の通常の取引価額で評価。
課税上弊害がなければ、取得価額×価格変動率×80%の評価も可。
令和9年1日1日以後に発生した相続から適用。
相続税対策の以前出来ていたことが出来なくなります。特に注意すべき税制改正です。
④小口化不動産の相続評価
取得時期にかかわらず通常の取引価額で評価。
課税上弊害がなければ、事業者が適正と評価した金額によることも可。
令和9年1日1日以後に発生した相続から適用。
⑤防衛特別所得税の創設
基準所得税額の1%へ課税。
計算方法は現状の復興特別所得税と同じ。
令和9年度分以降当面の間課税。
⑥復興特別所得税の引下げ
基準所得税額の2.1%から1.1%へ。
令和29年度まで適用延長。
⑦償却資産税の免税点引上げ
償却資産税(固定資産税)について、家屋に係る免税点を30万円(現行20万円)に、償却資産に係る免税点を180万円(現行150万円)に引き上げる。
令和9年度以後の年度分の固定資産税に適用。
⑧地方税の自動ダイレクト納付
納税額が1億円以下で、地方税のダイレクト納付の手続きが法定納期限当日に行われた場合に、法定納期限の翌取引日にその納付がされたときは、法定納期限当日に納付があったものとみなし、延滞金に関する規定を適用する。
令和10年4月1日以後に行うダイレクト納付の手続きについて適用する。
コラム初回掲載時の税制適用を考慮しております。その後の税制改正で差異が生じた場合は予めご了承ください。
