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役員退職金と弔慰金の支給額の決め方(第116話)

2026/05/27

今回は、役員退職金弔慰金について書きたいと思います。

役員退職金

役員退職金については、多額の金額となる場合があり、法人税や所得税の節税対策として非常に活用されます。従って、税務調査でも必ず確認される事項です。

役員退職金については、株主総会の決議をして支給金額を決定します。

税務上で、認められる目安は、

最終報酬月額×在任年数×功績倍率(1~3までが目安、3を超えると注意)

例えば、最終の役員報酬が200万円で、在任年数20年、代表取締役が退職した場合には、

200万円×20年×3=1億2,000万円

となります。

実務上難しい点が、最終報酬月額です。役員退職金を多く計上したいために役員報酬を合理的な理由無く大幅に増加する場合や、会社の資金繰りや業績を考慮し大幅に減額する場合です。

実際の実務では、役員退職金を支払える現金預金が無ければ、役員退職金の計算が2億円でも支給が出来ないことになります。たとえ将来的に保険金収入が3億円あったとしても、役員退職金を3億円とする考えは税務上危険です。適正な最終報酬月額と功績倍率を考慮して役員退職金を決めてください。最終報酬月額を額する場合には、会社の利益が出ているのか、長期的に(3~5年間)増加した役員報酬を維持出来る事が重要です。

最終報酬月額を減額する場合には、役員退職金が減額するリスクがあります。資金繰りが厳しい場合は、役員退職金が多額になるケースが少ないので、役員退職金の支給金額の税務上の問題はありません。しかし、病気で入院していて、報酬月額が入院前200万円、入院後50万円となった場合にはどうするか?非常に税務上グレーな部分です。

例えば、在任年数20年で、功績倍率3とすると、原則は、

50万円×20年×3=3,000万円

となり、客観的に見ても低すぎる役員退職金になります。

実は、最終報酬月額×在任年数×功績倍率以外にも役員退職金の計算方法があるにはあります。

同規模の同業他社における役員在任1年当たりの退職給与の平均額×在任年数

です。(1年当たり平均額法)。

ただし、実務上で問題となるのが、「同規模の同業他社における1年当たりの平均額」が分からない点です。従って、実務上ではこの計算式は使えません。

実務上一番理想的なのは、〈長年代表取締役を務め、役員報酬は入院を理由に一時的に下げている場合なので、通常の200万円で役員退職金を計算する〉・・・勿論、絶対安全とは言い切れませんが、交渉すれば認められる可能性もあります。

弔慰金

従業員が亡くなった場合に受ける弔慰金については、通常相続税の対象となる事はありません。

しかし、

1、被相続人の雇用主などから弔慰金などの名目で受け取った金銭などのうち、実質上退職手当金等に該当すると認められる部分は、相続税の対象になります。

上記内容に該当する事は実務上あまりありません。ポイントは、次の2です。

2、上記1以外の部分については、次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額とし、その金額を超える部分に相当する金額は、退職手当金等として相続税の対象となります。

(1) 被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき

被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する額

(2) 被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき

被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する額

弔慰金が実質上退職手当金に該当するかどうかについては、弔慰金規定に基づいて計算される事を前提にしています。従業員の地位、功労等を考慮し、会社が営む事業と類似する事業において同様の地位にある者が受ける額を勘案して判定します。実務上、半年分の最大額を支給するケースは少ないと思います。

普通給与とは、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当等の合計額をいいます。

会計処理は、福利厚生費として計上します。

ここで、入院していた代表取締役が亡くなった場合にはどうなるか?を考えてみます。

入院前の役員報酬200万円、入院時以降50万円とすると

50万円×6(ヶ月)=300万円

となります。

役員退職金と違い、入院前の役員報酬200万円を使えないので注意してください。

その他の注意点は、住民税を特別徴収している場合には市区町村へ届出を提出します。社会保険についても届出が必要です。

死亡した者の所得税確定申告は、準確定申告となり死亡日から4ヵ月以内に申告、相続税の申告は、死亡日から10ヵ月以内に申告となります。

実務上あまり発生しませんので、税務に関しては税理士へ、社会保険については社労士へ相談し、適正に処理をしてください。

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