今回は、所得税における交際費について書きたいと思います。
交際費とは
個人事業主が得意先や仕入先などの業務遂行上直接必要な取引先に対して、接待、供応、慰安、贈答などのために支出したものをいいます。
ほぼ、法人税と同様の扱いです。しかし、個人事業主は、 家事関連費(仕事とプライベートの両面を持つ経費)の明確化が必要です。従って、業務上直接必要なものに限られます。例えば、ゴルフプレーは、趣味と実益を兼ねている様な交際費ですが、経費計上を否認されている場合もある点が注意です。
その構図は以下です。
相手先との円滑な関係を築くための業務遂行上必要な支出と主張。
家事関連費であり、業務遂行上直接必要であったことが明らかでない。更に、その必要である部分を明らかに区分することができないので必要経費とならないと判断。
結果、裁判上では必要経費を否認されています。
交際費は必要経費として認められないこともあるので注意
ロータリークラブやライオンズクラブの会費は、ある程度事業性があっても必要経費と認められません。(平成26年3月6日公開裁決事例のロータリークラブの会費等は必要経費に算入できないとした裁判)。経費として認められるためには、同業者の集まりは業務に直接関連する勉強会でないとなかなか認められないでしょう。
個人事業主に対する税務調査で交際費の否認指摘をしてきたケースでは、かなり強気な態度になることもあります。売上高に比べて交際費の額が大きい場合や医師や士業の場合、先生業は顧客や取引先からご馳走される場合が多く、自ら支払うことは少ないので交際費の額が多いと注意しないといけません。
飲食代を経費とする場合には、業務に直接関連する費用を証明するため、相手先名を記入することが大切です。事業主が反面調査を実施されることを避けるため、相手先の明示をしない場合には、必要経費を否認される結果となります。この点は、調査官もよく知っている点で、実際に反面調査をするかどうかは別として、相手方が提示されていないという理由で交際費の経費を認めないと考えているケースが多いです。そして、実務上では交際費が必要経費になるかどうかは事実認定というあいまいな基準しかないので、「交際費の**%は、否認します」という落としどころに陥る結果も多いです。
交際費として経費に認められるためには、納税者側が業務に直接関連する費用としての立証責任があります。従って、飲食代を経費に落とす場合には、相手先の明示が必要となります。納税者からちゃんと相手先名が明示され、業務に直接関連する費用と主張された場合には、調査官側は、それが経費でない理由の立証責任があります。
税務調査では、個人的支出が経費として処理されていないかがよく確認されます。法人の交際費よりも厳しく見られる場合もありますので、日頃から事業の経費と個人経費を明確に区分し、領収書に内容をしっかり記載することが大切です。
