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少し変わったポルトガルとの出会い

2021/10/06

ポルトガルの北部の町、ブラガ在住の桐山シルバ佐知子です。

前回は、ポルトガル人と働く上で「仕事で苦労した文化の壁」と、私が仕事にしている一つの「ポルトガル語オンライン講座の運営」について、お伝えしました。

今ではすっかり仕事もプライベートもポルトガルと強い繋がりが出来ていますが、もともとは日本で生まれ育ち、19歳になるまでポルトガルについて知ることもありませんでした。そこで今回は、なぜ私がポルトガルと出会い、仕事を始めるまでに至ったのか、その経緯をお伝えしたいと思います。


チェコ留学中に出会ったポルトガル


「何でポルトガルなの?」

「ポルトガルがとても好き」と言うと、だいたい聞かれるこの質問。

ポルトガル語専攻だったからとか?
ポルトガル人の恋人がいるからとか?

多くの方がそんな答えを想定されているようですが、私の場合は少し違う入り方をしました。

東京の女子高校に通っていた私は、当時、ヨーロッパの真ん中にあるチェコ共和国に憧れを持っていました。まるでおとぎ話に出てきそうな首都プラハに興味を持ち、すらーっと背の高いチェコ人にも憧れていました。大学進学も、このチェコと交換留学制度がある大学を選ぶくらい、とにかくチェコ一色でした。

大学2年生の夏、念願叶ってチェコ共和国に留学。その頃チェコはEUに加盟したばかりで、ヨーロッパ各地から留学生の受け入れを強く推進していました。特に私が通っていた大学はポルトガル北部のミーニョ大学と提携をしていて、毎年10人ほどの留学生をポルトガルから受け入れていました。

おおよそ15年前はチェコで日本人を街で見ることはほとんどなく、留学生の中でもアジア人は私一人だけ。 そのため、私はポルトガルから来た5人の留学生グループと同じアパートに、人数合わせのような形で入居しました。当初は、これからポルトガルにのめり込むことになるとは想像するはずもなく・・・。

秋冬は雪も降り寒いチェコですが、家の中は陽気な彼女たちのおかげでとても温かく、毎日が楽しく時間はあっという間に過ぎていきました。 いつも優しく温かいソニア。しっかり者で知的なカタリーナ。モデルのようにクールなフィリッパ。天然で太陽のような笑顔のグラッサ。いつも冷静で見守ってくれるマルリン。

一番年下で日本から来た私を、みんな本当に可愛がってくれました。 ポルトガル料理に必要な食材がなかなか手に入らないチェコで、ポルトガル のママの味を食べさせようと奮闘してくれたり、人生を楽しむことを教えてくれたり。正直、憧れて留学したチェコで、文化の違いや寒い気候に気分が落ち込むこともありましたが、彼女たちのおかげで全てが楽しい思い出になりました。

楽しい時は笑い、時には本気でぶつかり合い、悲しい時は泣き、いつも自分らしく過ごす彼女たちから、まだ10 代だった私は本当にたくさんの刺激を受けました。


初めてのポルトガル


彼女たちがクリスマスのため一時帰国することになり、日本への帰国予定がなかった私を心配し、一番仲の良かったソニアが「ポルトガルに一緒においでよ!」と言ってくれました。

これが私にとって初めてのポルトガルでした。ソニアのお家に10日間程泊めてもらったのですが、その間に彼女たちの陽気さや一緒にいて安心できる理由がわかった気がしました。美味しい料理、青い空と海、そこに暮らす温かい人々、ポルトガルにはそんな飾らない心地良さがありました。この時の経験が私の心にいつまでも刻まれています。

今でもポルトガルの好きなところは?と聞かれたら、フレンドリーで親切なポルトガル人、美味しいポルトガル料理、過ごしやすい気候、この3つを必ず挙げます。様々な国へ訪れた経験がありましたが、ポルトガルで感じた心地よさは他の国では感じることのなかったものでした。

クリスマスの後、ポルトガルからチェコに戻る前日、町を一気にオレンジにする力強い夕日を見て、「私はこの国に必ず戻ってくる」と感じました。 大学卒業後は日本で就職し、充実した毎日を過ごしていましたが、夕日を見るとポルトガルが恋しくなったのです。

第1回目のコラムでもお伝えしたように、このポルトガルへの想いが止まらず、社会人 3 年目にポルトガルと日本をビジネスでつなげようと決意し、今に至ります。


夢を持ち続けることで人生が豊かに


ポルトガルの詩人António Gedeão が残した言葉で、「O sonho comanda a vida.」という言葉があります。訳すと、「夢が人生を動かす」という感じです。まさに私の人生はこの言葉通りで、今まで出会った人や経験してきたことのほとんどが、私の「日本とポルトガルをつなげる」という夢が導いてくれました。これからも、日本とポルトガルが繋がっていけるよう、志を高く持って過ごしていきたいと思っています。

■Memo:
なんだかひとつの物語を読んでいるかのような気分になってしまいました・・・
チェコとの出会いがなければ、ポルトガルとも出会っていなかったかもしれないと思うと、人生とは面白いものですね。

そして、
O sonho comanda a vida.
夢に向かって挑戦したい人の背中を押して、一歩踏み出す勇気をくれるような、力強い言葉ですね。

ありがとうございました!

桐山シルバさんの活動内容が気になる方は、第1回目の記事「ビジネスで日本とポルトガルの架け橋に」をチェックしてみてください!

桐山シルバさんが書いてくださるコラムも、残すところあと1回です。
最後のコラムもお楽しみに・・・!

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