個人型確定拠出年金(iDeCoイデコ)については、かなり認知が高まったと思います。もし加入できる場合には、NISA(ニーサ)を利用するよりもイデコを先に利用してみてください。今回はイデコプラスについて書いていきます。
イデコプラスとは、従業員が掛けているイデコに企業が上乗せして掛金を拠出できる制度です。2022年5月以降、加入対象者の年齢が65歳まで延長されました。
令和6年12月現在、企業が上乗せできる掛金の上限は、22,000円となりますが、企業側では、福利厚生費として経費計上することが可能です。従業員は、企業が負担した掛金に対して給与課税と社会保険の対象になりません。非常にお得な制度です。
イデコプラス加入要件
- 企業年金や厚生年金基金を実施していないこと。従業員数が300人以下であること。
- 従業員がイデコに加入し、厚生年金被保険者かつ65歳未満であること。
- 労働組合又は労働者の過半数を代表する者との合意があること。
- 必要書類を作成し、国民年金基金連合会へ提出すること。
イデコプラスの掛金上限
加入者と事業主掛金の合計額は、月額5,000円以上23,000円以下の範囲で、1,000円単位で決定できます。加入者掛金を0円とすることはできません。従って、従業員は最低1,000円の負担が必要です。
事業主掛金は、全員一律の金額でも良いですが、勤続期間や役職等で差異を設けることができます。
イデコプラス導入後は、事業主が従業員の負担する掛金を含め合算して納付します。
例えば、給与総額250,000円、加入者負担5,000円、事業主掛金18,000円とし、月合計23,000円納付。給与から天引きされる所得税等は考慮しないとします。
〈給与支払い時の仕訳〉
給与 | 250,000 | 普通預金 | 245,000 |
預り金 | 5,000 |
〈掛金納付時〉
預り金 | 5,000 | 普通預金 | 23,000 |
福利厚生費 | 18,000 |
福利厚生費18,000円は消費税の対象外となります。
イデコプラス加入のメリット
イデコプラスを導入した場合には、就業規則や社内規程を見直す必要があります。詳しい内容は、社会保険労務士へ相談すると良いでしょう。
加入することのデメリットは、経理処理が若干増えることくらいです。
メリットは、
〈企業側〉
- 法人税等の節税になる。
- 福利厚生の充実が叶う。
- 社会保険料の負担増が無い。
〈従業員側〉
- 小規模企業共済掛金控除が受けられ節税となる。
- 会社が負担する掛金については、給与課税や社会保険の対象とならない。
加入されていなければ、検討する価値のある制度だと思います。
詳しい内容は、厚生労働省のイデコプラスの資料を参考にしてください。