令和6年4月からの日本政策金融公庫融資の賃上げ貸付利率特例制度について書きたいと思います。従業員の賃上げをした場合には、税制上の税額控除が受けられる節税策があります。融資分野では従業員の賃上げをした場合、日本政策金融公庫で利率軽減制度が導入されました。
対象者について
- 新たに事業を開始後3カ月以上の事業者である。
- 雇用者給与等支給額の総額が最近の決算期と比較して2.5%以上増加する見込みがある。
- 最近の決算期において既に増加している場合を含み、最近の決算期において雇用者給与等支給額の支出が無い場合を除く。
- 賃上げ計画書、チェックシート、賃上げ報告書等を作成し提出する。
雇用者給与等支給額とは、雇用者に対する給与等の支給額のことをいいます。雇用者には、パート、アルバイトおよび日雇い労働者を含みます。法人の役員および個人事業主の家族従業員は含まれません。
決算書の給与、賞与、賞与引当金繰入の合計金額を記載してください。役員報酬や退職金、法定福利費は含みません。個人事業主の場合は、専従者給与、専従者控除は含みません。
税務上の賃上げ税制とは異なる範囲になるので注意が必要です。例えば、助成金を引く必要はありませんのでご注意ください。
賃上げ計画書を作成する際には、日本政策金融公庫のホームページを参考にしてください。記載内容は、労務費と人件費の集計金額に注意して、賃上げ計画の概要を記載します。
利率(年)について
各融資制度に定める利率-0.5%(ご融資日から2年間)
利率の下限は、0.3%となります。
注意点
計画段階で金利の引き下げは出来ますが、実際には雇用者給与等支給額が2.5%以上増加していない場合には、借用証書に記載された利率からの0.5%の控除を取消し、貸付当初に遡って当該控除を取消した分の差額利息を支払うことになります。
まとめ
日本政策金融公庫と取引のある方で、税制上の賃上げ税制を利用している場合、金利引き下げの可能性があります。この「賃上げ貸付利率特例制度」を活用することをお勧めします。