先日、税務署から法定監査を行いたいと連絡がありました。
法定監査は、通常の税務調査と違います。小生も税理士業界25年以上で、初めての調査立ち合いとなりました。
今回は、法定監査について話していきます。
法定監査とは
法定監査とは、企業が税務署に提出する法定調書が正確に作成されているかを確認するための調査です。
法定調書は、給与所得者で年末調整をした者の内、役員であれば、給与の支払金額が150万円を超える場合、従業員であれば、500万円を超える場合に提出義務があります。他にも税理士や弁護士への報酬が年間5万円を超える場合にも提出義務があります。
提出した内容確認と提出漏れが無いかを調査するのが、法定監査です。
法定監査当日までに用意する書類
調査当日に必要な資料は、概ね3年間分。
- 会社案内
- 従業員名簿、就業規則、給与や退職規定
- 取締役会や株主総会の議事録、稟議書、決済文書
- 契約書
- 給与所得者(退職所得)の源泉徴収票
- 一人別徴収簿
- 扶養控除等届出書等の年末調整関係書類
- 退職所得の受給に関する申告書、退職所得の計算資料
- 退職所得者受給者別調書計算書類
- 弁護士、原稿料、税理士等報酬の請求書
- 法人税申告書、消費税申告書(決算書含む)
- 法定調書合計表、支払調書
- 総勘定元帳、残高試算表
- USBメモリー
となります。通常の税務調査よりも用意する資料は多いです。
法定監査当日の流れ
▶ 調査1日目(概ね10時から16時)
最初に、事業概況と雑談で1時間。
その後は、合計表の作成が合っているかどうかの確認となります。契約書や支払先の口座も確認していました。主に、反面調査資料の作成の為の調査となります。マイナンバー未入手先については、先方にマイナンバーを出す様に指導を受けました。
15時位になると作成しなければならない支払調書の確認をしました。
▶ 調査2日目(概ね10時から16時。早ければ午前中に終わる場合もあります)
午前中は、前回指摘事項の確認をし、契約書関係と支払先の口座も確認しました。終了時間前の30分位に提出書類の確認をし、終了となります。
法定監査の注意点
法定監査の注意点は、
- 原則、法人税や消費税の税務調査の移行はありません。印紙税や源泉税は注意です。
- マイナンバー未入手の場合、取得する事。
- 報酬に対する個人事業主に対する支払調書は作成しているが、法人に対しては作成していない点が多いので作成する事。
法人に対するプログラム開発の役務の提供は作成の必要なし。法人格のコンサルタントへの報酬は、年5万円超えた場合は作成の必要あり。 - 反面調査の為の資料確認の為、協力姿勢を見せ早めに調査を終わらせる事。
なかなか実務では、経験しないかもしれませんが、正しい法定調書合計表の作成を心掛けたいと思います。