今回は、経営セーフティ共済(昔は、倒産防止共済と言われていました)に関する税制改正について話していきます。
経営セーフティ共済とは
経営セーフティ共済とは、得意先の売掛金が回収出来ない場合に、掛金の積立金額に応じて、無担保・無保証人で借入が出来る制度です。
令和6年12月1日現在では、積立額は800万円までとなっています。
掛金は、月5,000円から200,000円までとなっており、原則経費に落ちます。経費に落とす場合には、申告書に添付資料が必要です。添付資料を忘れないように注意してください。
前納制度もありますので、資金繰りが良い場合には、前納制度を活用すると良いです。
解約手当金は、40カ月以上の掛金支払いであれば、掛金の満額が戻ります。掛金を12カ月以上支払えば、掛金全額の80%以上が戻ります。解約手当金の返戻額は、一部分は認められず、例えば、800万円の満額であれば、800万円が収益となります。
実務上では、解約返戻金を計上した事業年度に新たに経営セーフティ共済に加入して、節税目的として使われるケースが多く、そのため税制改正となりました。
税制改正内容は、
掛金解約日から2年以内に支払う掛金は、経費とならない。
令和6年10月1日以降の解約から適用となりました。
事例の紹介
ここでいくつか例を見てみましょう。
■事例1
- 事業年度 令和6年4月1日から令和7年3月31日までの3月決算法人
- 解約日が令和6年6月30日で、新たに掛金を令和6年8月に支払った場合
解約日が令和6年10月1日以降では無いので、令和6年8月以降に支払った掛金は経費となります。
■事例2
- 事業年度 令和6年4月1日から令和7年3月31日までの3月決算法人
- 解約日が令和6年10月30日で、新たに掛金を令和7年1月に支払った場合
解約日が、令和6年10月1日以降なので、令和7年1月以降に支払った掛金は経費となりません。(解約日から2年以内に支払う掛金のみ)。
今加入している場合には、出口戦略を考えてください。
経営セーフティ共済の活用について
解約手当金の計上時期を考える。こちらの申請で解約時期が決められるので、資金繰りが苦しい時や大幅な赤字の場合に解約をすると良いと思います。他には役員退職金が大きい場合に解約する。
節税目的よりも緊急事態時の資金繰り改善として活用する。
掛金は、原則資産計上しないので簿外資産となり、自己資本比率を上げます。
財務強化の一環として活用する点も大切です。
利益が出ている場合で、お金に余裕がある場合には、経営セーフティ共済の加入も考えると良いと思います。