今回は、借入に関係する、銀行員が確認する経営指標について書きたいと思います。
経常収支比率=経常収入÷経常支出
経常収入=売上高+営業外収入―債権増加額+前受金増加額
経常支出=売上原価+販売費及び一般管理費+営業外費用―減価償却費+棚卸資産増加額―債務増加額+前払金増加額
経常収支比率とは、キャッシュベースでの会社の経常的な儲けを表します。
借入金の返済を考慮しないで、企業活動の経常的な収支がプラスかマイナスかを判断する指標です。
経常収支比率が100%以上であれば、キャッシュベースで会社が儲かっている証拠です。
経常収支比率が100%未満であれば、キャッシュベースで赤字の会社です。
特に大切な点は、経常収支比率が2期連続で100%未満であり、売上が減少していると銀行員からの印象が悪くなるため要注意です。
経常損益比率=経常収益÷経常費用
経常収益=売上高+営業外収益
経常費用=売上原価+販売費及び一般管理費+営業外費用―減価償却費
損益ベースでの会社の経常的な儲けを表す指標となります。
経常収支比率と経常損益比率を使うことにより、銀行員は、粉飾決算が無いかどうかを確認します。
例えば、
経常収支比率=80÷100=80%
経常損益比率=110÷100=110%
企業活動の経常的な現金収支は、マイナス(100%未満)ですが、損益ベースでは、プラス(利益)という状態です。
この場合の差に注目します。
110-80=30%
一時的な場合であれば問題無しですが、2期連続で差が10%以上である場合には、銀行員からの印象が悪くなるため要注意です。
売上が前期と同じか減少している状態で、この差が2期連続で10%以上である場合は架空売上や在庫の調整をして粉飾決算をしていないかを疑われます。
借入を有利に進める為には、経常収支比率と経常損益比率に気を付けて経営をしましょう。ちょっと話が脱線しますが、商工中金という金融機関があります。民営化されますので、以前とはちょっと違った融資姿勢となるでしょう。ただし、売上規模の小さい中小企業に対してはなかなか融資取引が出来ないケースもあります。目安は、1本5,000万円以上の融資が必要で、売上規模も5億以上のステージになった時に、新たな借入先として考えると良いでしょう。
中小企業は、地方銀行や信用金庫、日本政策金融公庫を中心に活用しましょう。 それでは。良い一日を!!