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WebAPIで広がる可能性~パートナーとのデジタル連携~

2021/03/31

これまで、システム連携と言うと、Web以外の業界では社内でのシステム連携がほとんどでした。しかし、Web技術がより身近になり、社内システムでもWeb技術が活用され始め、Webで使われている連携技術のWebAPIについても注目されるようになりました。

今回は、そのWebAPIなどの連携技術がもたらす効果についてご紹介します。


会社で開発した機能を他社が使う時代


冒頭で述べたように、これまで、ある会社のサービスを使うのは、基本的にその会社の社員や、お客様くらいでした。しかし、現在、Webの業界ではさまざまな機能やサービスがAPIとして部品化され、組織を超えて共有されています。例えば、ECサイトでは、決済機能は自前で作るよりも他社のサービスを利用する事が一般的になっています。


WebAPIとは?


このように、企業の特定の機能やサービスを部品化し、共有する仕組みをAPIと呼んでいます。

APIは、Application Programming Interfaceの略で、直訳すると、アプリをプラグラミングするためのインターフェースと言う意味です。つまり、アプリを作る際に、プログラム同士がうまくやりとりできるような仕組みの事です。自分たちが作りたいアプリをゼロから作るのではなく、部品を組み合わせて作る為のルールだったり、仕組みだったりのことを指します。

例えば、ECサイトを作る時、決済部分に“既に出来上がっている部品”を使いたい場合、その部品を作っている会社がAPIを準備します。部品の利用者は、APIを作った企業のルールを守りながら使うことになります。

Webの業界ではこういったAPIが頻繁に使われることが多くなり、経験的なノウハウや推奨ルールが共有されています。そのノウハウに基づいたAPIを、WebAPIと読んでいます。ただし、WebAPIのルールは、どこかの政府が決めているわけではなく、推奨ルールとして広まっていったものであり、厳密にルールが守られているわけでもありません。

WebAPIの特徴は、決済や配車、印刷など、システムの計算処理にとどまらない範囲で、人も付随するようなサービスも部品として提供されている点です。

では、なぜこういったWebAPI化が進むのでしょうか?
これは、効率的である事も背景にありますが、シンプルに売上に貢献してくれるからという側面もあります。


WebAPIは売上の向上に繋がる?


「コンビニ複合機の印刷機能」を例にすると、コンビニに設置している複合機(コピー機)をあらゆる企業が印刷機として利用できるWebAPIサービスがあります。

このWebAPI化を実施したのは、コンビニではなく、複合機メーカーのシャープのグループ会社です。このWebAPIサービスは無料で利用することができます(印刷代はかかります)。利用する企業は、シャープの複合機であれば、 クラウド上に保存したコンテンツを全国どこでも印刷することができるようになります。自社で印刷機のインフラを作ることなく、全国の印刷機を使えるようになります。ある会社は、従業員向けの印刷機として活用したり、別の企業は、独自の有償コンテンツをプリントできるサービスとして提供したりと、様々な形で利用されています。

シャープなどの法人向けの複合機メーカーは、数年前から複合機そのものを売るのではなく、“印刷という機能”を売るビジネスへとシフトし、印刷した枚数に応じて売上が上がる仕組みにしています。そのため、コンビニの来店客だけでなく、様々なお客様に複合機を利用して印刷してもらった方が大きな売上に繋がるのです。もちろん、コンビニは、自社の複合機を使ってもらうことでその分の売上が増加し、更に印刷目的で来店した客へのビジネスチャンスも増やすことができます。

このような理由から、近年は、印刷機メーカーが売上を拡大させるために自社でWebAPIを開発し、更にそのWebAPIをサービス開発会社に無償で提供しています。このように、自社が作ったサービスをWebAPI化して、他の企業も使えるようにする事で、自社だけでは提供できないサービスを提供することができるようになるのです。

□Memo
今回例としてご紹介したネットワークプリントWebAPIは、2021年4月現在、法人向けに公開されているサービスです。


WebAPIによって進むマイクロサービス化


このように特定のサービスをWebAPIによってオープン化し、誰でも使えるようにする取り組みは、主にWeb業界で活発化していました。しかし最近は、このWebAPIの取り組みについて、Webだけでなく、システム開発の分野でも活用が進むようになってきました。

これまでもシステム間のAPI化は実施されてきましたが、組織を超えて様々な利用者に活用される事で洗練されたWebAPIのノウハウが、社内システムでも活用されるようになってきたのです。このような取り組みでは、自社のシステムを大きなシステム単位で開発するのではなく、より小さな機能単位で開発する事で、全体の開発生産性を高める効果が期待できます。また、今は自社システム内だけの連携を想定していても、将来的に自社の機能を対外的に公開して新たなサービスとして提供することも可能です。


WebAPIで食のDXが進む?


ちなみに、私のFamCookも、ユーザーが使うアプリの裏側のクラウド部分はWebAPI化をしています。この仕組みを活用して、アプリ以外のWeb画面を開発したり、パートナーがFamCookのコンテンツを作れるようにしています。

最近は、麦茶メーカーの三栄興産様や昭和女子大学様にこの仕組みを活用していただき、食育コンテンツを充実化しました。特に、昭和女子大学様との連携では、この仕組みを活用して、学生の方々に災害食のコンテンツを登録してもらいました。つまり、学生でも、WebAPIを活用することで、AIを使って音声ナビのコンテンツが作成できる時代になっているのです。


WebAPIで進むパートナー連携


我々の取り組みは小さなモノですが、今後は、このようにWebAPIによって様々な企業が自社のサービスを対外的に公開することで、サービス同士の連携がより一層進むようになるでしょう。すると、小さな企業でも、いろいろなWebAPIをつなぎ合わせることで、様々なサービスを提供できるようになるでしょう。

今の時代は、作りたいサービスがある時に、1から作るのではなく、まずは他社のサービスを活用することから始めてみるのも、リスクが低く、“小さく始める”有効な手段になるでしょう。

まずは世の中にどのようなWebAPIサービスがあるのか、調べてみる事をお勧めします!

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