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今後システムに求められるのは、データの「拡張性」

2020/10/13

菅内閣の発足とともにデジタル庁の創設が検討され始めました。
今回はこのデジタル時代に求められるデータの拡張性についてご紹介します。

デジタル時代ではどんなシステムが求められているのでしょうか?
私は、これまで以上にデータを流通、加工しやすくすることだと考えています。


大量のデータ流通で生まれる様々なデジタルサービス


前回述べさせていただいたように、デジタル時代で注目すべきデータの一つにログデータがあります。
個人の生活の中でも、スマホの操作データや、物の購入データなど、生活の実績がログデータとして毎日生まれています。

もし、これらのデータが流通、加工しやすくなっていれば、毎日食べたものを把握し、栄養バランスを見える化したり、どんな病気になりそうかのリスクも見えるようになったりするかもしれません。

しかし、これらのデータを活用するサービスを開発しようとすると、なかなかうまくいかないのが実態です。その原因の一つに、データ構造があります。


従来のシステム開発手法とデータ構造


システムのデータ構造は、その目的を達成するための手段として最適なデータ構造が採用されます。

会計システムなどでは、アクセスが集中しても信頼性が担保されるデータ構造を採用します。 そのため、多重の追加や更新を行っても信頼性を担保してきた実績のあるRDB(リレーショナルデータベース)というデータ構造がよく採用されています。
このデータ構造は、関係性(リレーション)が重要な仕組みになっており、主目的とする処理(例えば会計処理)に対してデータ量が増えても性能向上を維持させるために、様々なチューニング設定がされています。
会計や生産管理など、長年の業務で定義が固定化されているような場合、変化も少ない為、このようなデータ構造を採用する事は非常に自然で、最適な選択肢と言えます。

一方で、まだ業務が確定していないような新規サービスのシステム構築では、サービス開始後にユーザーニーズに応えるために、「このデータも追加で扱いたい」などの事態が発生します。
そのため、このようなシステム構築で柔軟性のないデータ構造を採用してしまうと、仕様変更の度に大きな費用が掛かる上に、思ったようなシステムが構築できなくなってしまいます。
これは、一度チューニングによって最適化されたシステムにデータ項目を追加するとなると、影響範囲が広く、とても複雑な仕事となってしまうからです。


Webシステムと新たなデータ構造


そんな中、WebやIoTなどの比較的新しいシステムでは、より柔軟性を持たせたJsonなどのデータ構造が採用されています。
この仕組みは、先ほどのRDBと比べて、後からデータ項目を追加するなどの柔軟度の高い進め方に長けています。
そして、この柔軟性こそが、デジタル時代で求められているデータの流通に対応するのに必要な仕組みなのです。


要件が決まらないシステム開発で重視すべきなのは柔軟性


デジタル時代では、これまでの固定化された業務だけではなく、不確定な業務でも使い始められ、業務の改善と共に成長するようなシステムやデータ構成が求められています。
生産管理システムのログを活用した生産実績見える化システムであったり、会計システムのログを活用した経営見える化システムです。
そして、日々の生活でも、この流れで電子決済ログを活用した家計見える化システムや、献立ログを活用した栄養見える化システムなどが今後提供されるでしょう。
(栄養見える化は我々が作っています。)

このようなログデータ活用では、サービスが開始された後から連携する相手が増えたり、対象とするデータ項目が増えたりしても対応できるようにする必要があります。
そのため、データ構造には、処理性能や信頼性だけでなく、様々なデータを取り込めるような拡張性や柔軟性が求められ、前述のRDBよりもJsonなどのデータ構造を採用する方が好ましい場合があります。

もちろん、RDBよりもJsonが全ての面で優れているわけではありません。
それぞれの技術特性を理解した上で、性能、コスト、品質、柔軟性などを考慮しながら、適材適所のデータ構造を適用することが重要であり、エンジニアの腕の見せ所でもあります。
エンジニアにとっては、データ構造はRDBしか知りませんでは通用しない時代になってきたと言えるでしょう。


進み始めたデータ連携機会


行政で公開されているデータにおいても、徐々にこう言ったデータ活用を想定したデータ公開が始まりつつあります。

数年前までは、学校給食の献立データは学校で手書きの献立表が配られるだけでした。
しかし、自治体によっては、この献立表をWebで公開したり、レシピ名だけでなく、食材の重量までExcel形式で公開したりしているところもあります。
食材の重量までExcelで公開されていると、そのレシピを自宅で再現するだけでなく、より詳細な栄養計算もすることができます。

デジタル化の機運が高まったことで、今後はさらにデータが流通しやすくなり、様々なデジタルサービスが創出されることが期待されます。

こんなデータでこんなサービスが創出できるのでは?

もし、そんなアイデアを形にしたい場合は是非ご相談ください!

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