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優秀なデジタル人材を確保するために分かっておくべきこと

2020/02/25

今回は、デジタル人材の見分け方や、育成する際、社外からの獲得する際の注意点についてご紹介します。

まずは、デジタル人材とはどのようなものなのか、その種類を見てみましょう。


デジタル人材の種類


デジタル人材には、大きく分けて、6種類に分けられると言われています。

◆ プロデューサー:

デジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材

◆ ビジネスデザイナー:

デジタルビジネスの企画・立案・推進などを行う人材

◆ アーキテクト:

デジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材

◆ データサイエンティスト/AIエンジニア:

デジタル技術(AI・IoT)やデータ解析精通した人材

◆ UXデザイナー:

デジタルビジネスに関するシステムのユーザ向けデザインを担当する人材

◆ エンジニア/プログラマ:

デジタルシステムの実装やインフラ構築を担う人材

  JDIR:『「5年以内に競争力が低下する」大企業が危機感』より 

6つの人材のうち、アーキテクトやデータサイエンティスト、UXデザイナーやエンジニアであれば、具体的な成果物もあるため、実績から評価する事は比較的容易かもしれません。しかし、プロデューサーやビジネスデザイナーなどの“推進役”となるデジタル人材は、実績を語るのが難しく、良い人材を見分ける事も簡単ではありません。そして、こういった人材こそが逼迫状況にあるのが現実です。

今回は、この“推進役”となるデジタル人材に焦点を当てて、見分け方や育成の際の注意点についてお話していこうと思います。


大切なのは実績の大小ではない


推進役となるデジタル人材の見分け方で重要となるのは、知性ではなく「行動力」です。そして、この「行動力」を見分けるには、学歴や前職の役職ではなく、個人の実績が重要な要素となります。デジタルビジネスでは、物事が計画通りに進むことがほとんどありません。そのような中で、指示を待って行動するようでは、活動が停滞してしまいます。そのため、推進役となるデジタル人材には、「行動力」が求められるのです。

一方で、最初から大きな「実績」を期待する事は難しいでしょう。すでに大きな成功実績を持っていれば、デジタル人材である事は誰でも分かると思います。しかし、そう言った人材は自分でビジネスを立ち上げるなどの独立志向も高く、社外から獲得するのはなかなか難しいのが実態です。そのため、推進役のデジタル人材やその候補者を見分けるには、その実績の大小ではなく、当事者がどんな思いや経緯で実施したのかが、良い人材を見分ける上での重要なポイントとなります。

具体的には、作った背景でその人の「ビジョン」を、作ったものに対するユーザの反響で与えた「影響の大きさ」を、巻き込んだメンバーでその人の「求心力」などを把握することができます。特に推進役のデジタル人材に求められる「行動力」 は、思いの強さや、ぶち当たった壁、その壁をどう乗り越えたのかのエピソードから垣間見る事ができます。

このようなストーリーを聞くことができれば、ご自身が求めるデジタル人材かどうかを見分ける事ができると思います。そして、そういったエピソードは、成功した時のものよりも失敗した時や困難に対峙した時ものの方が、推進役に求められる行動力を見分ける上で役立つでしょう。


ポイントは、失敗の事例を語れるかどうか


失敗の事例を語れる事は、とても重要です。デジタルビジネスでは計画通りに行くことの方が珍しいため、あらゆる失敗を早期に見つけ、修正していく行動力が大切です。そのため、推進役には、失敗を自ら認め、隠さずにすぐ対応できる素質が求められるのです。

ただし、単純な準備不足やスキル不足による失敗が多い場合は、実力不足であるため、推進役としては適さないかもしれません。より困難な事にチャレンジしたからこその失敗から学べる事は多いですが、簡単な事で失敗しても、学ぶ事は少ないでしょう。

同様に、推進役のデジタル人材を育成する際にも、積極的な挑戦を推奨しつつ、失敗した時はどんなことを学んだかを組織に還元できるようにフォローする事が重要です。しかし、誤解を招いてはいけないのは、なんでも失敗してOKという訳ではありません。ある程度まで成功して当然のことは成功させつつ、より高度な事に挑戦し、その結果、自分たちの力ではどうにもできないような、お客様や社会動向に起因する失敗は、次に活かす前提で許容する環境づくりが必要です。

繰り返しになりますが、失敗した場合は、放置するのではなく、その失敗から学んだことを共有して組織に還元する事が重要です。個人の成長のために失敗を奨励しつつ、組織の学習と成長の為に学びを共有する事で、何度失敗しても打席に立つ事ができる企業文化を作りましょう。そのような文化が定着すると、失敗を恐れずに挑戦する社員が自ずと増える企業になるでしょう。


優秀なデジタル人材を社外から獲得したい場合


社外から推進役のデジタル人材を獲得する場合は、細心の注意が必要です。恐らく、Webや記事化された事例を基に自分の成功談を語る人材が多いからです。そんな場合も見分けるポイントは同じです。失敗や困難をどう乗り越えたかを聞くことを特に意識するようにしてください。記事化された事例には成功談がまとめられていますが、その成功談の裏には、様々な苦労話や失敗談があるはずです。そのような当事者にしか分からない裏話を語れない場合は、注意が必要です。口先だけの推進役にデジタル人材をまとめる事は難しく、いくら優秀な人材を集めてもうまく進まないはずです。できれば、その事例に関わる他のメンバーからの評判を聞くなど、細心の注意を払うことをお勧めします。

また先述のとおり、こういった推進役のデジタル人材は独立志向が高い為、自社に引き込むことが困難です。良い人材に巡り合えたなら、いきなり獲得を目指すよりも、顧問契約などでいつでも相談できる関係性を構築することの方が得策かもしれません。 継続的に良い関係性を築きましょう。また、「類は友を呼ぶ」という言葉があるように、その当人ではなくても、紹介によって求める人材に巡り合える可能性もあります。


デジタルビジネスの取り組みは、“デジタルジャーニー”とも言われるほど長期的な取り組みになります。短期的な視点だけでなく、より長期的な視点で、様々な人材と繋がっていく事もデジタルビジネスにおける重要成功要因となるでしょう。

本記事の読者の方にも、良い出会いがあることを願っております。

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