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今更聞けない?電子化とデジタルの違い①

2019/11/18


最近、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が注目されつつあります。
しかし、この言葉の基本となる「デジタル」について、ほとんどの方が本質を捉えきれていないのが現実です。


「電子化はデジタルへの第一歩」


結論から述べると、電子化はデジタルへの第一歩であり、ほんの一部でしかありません。
もちろん、紙などのアナログからIT化などの電子化は重要な一歩ではありますが、デジタル化には程遠いものです。同じ電子化でもデジタル化には繋がらないものもあれば、DXの第一歩と言える事もあり、その差は時が経過するにつれて大きくなります。

ここで、とある業務の承認プロセスを電子化したA社とB社を例えて比較してみます。

A社は、紙で承認したドキュメントをPDF化し、膨大な箱ファイルから解放されました。これは最も初歩的な電子化で、デジタル化の第一歩とは言えません
確かに物理的な箱ファイルは無くなり、コストは削減できたかもしれません。しかし、業務プロセスは変わっておらず、その後システムが業務プロセスに与える影響も少ないでしょう。

一方でB社は、時間をかけて、承認に必要なドキュメントも電子で作成し、承認プロセスも電子決済にしました。そして、B社のこの電子化を始まりの一歩として、さらに長期的な取り組みを行った結果、10年後には以下のような変革を遂げるようになりました。

1. 業務の申請が行われると、その申請内容が自然言語処理によって解析され、過去の膨大な承認プロセスデータを活用することで、その申請内容の基本的な金額やリスク、申請者の組織情報から、承認を得るべきプロセスが特定され、内容によっては即時承認され、承認者には承認されたことだけが通知される。

2. また、内容の複雑さや新規性によって自動で判断できない場合は、承認されるべき人が特定され、即時承認者のモバイルに通知される。承認者も、申請内容について特に注意すべき箇所が強調されているため、即時判断ができるようになっている。

3. 更に、これらの申請内容と承認内容が蓄積され、承認プロセスだけでなく、申請プロセスもパターン化されていき、一連の申請業務プロセスがより効率的に、スピーディーになっていく。

4. そしてこれらの大量データからその組織の業務プロセスを解析し、ルールと実態の乖離状況を把握する事で、見直し箇所が継続的にリコメンドされ、業務プロセス改革が加速していく。


ここまでやるのが、DXです。
「こんな事、すぐにできる事じゃない。」と言われるでしょう。まさしくその通りで、DXは、1年や2年で実現できることではありません


「ガートナー社のDXの定義」


ここで改めて、「DXとは何か」という定義について考えてみたいと思います。様々な組織が定義していますが、今回はガートナー社の定義を紹介します。

ガートナー社は、DXをデジタルビジネスへの変革プロセスと定義しており、このプロセスを3段階に分けています。

1段階目が業務プロセスの変革
2段階目がビジネスと企業、人を結びつけた統合
そして、3段階目が、人とモノと企業、もしくはビジネスの結びつきが相互作用をもたらすこと

参考: 「Gartner Executive Programs Survey of More Than 2,300 CIOs Reveals Many Are Unprepared for Digitalization: the Third Era of Enterprise IT」より

つまり、システムを作って終わりでもなく、業務を変革して終わりでもありません。3段階目で重要となるのは、業務とシステムの相互作用なのです。
システムに業務を合わせ、業務に合わせてシステムも変革していくこれが、DXです。


DXにおけるIT部門の重要性


DXを実現させる為には、経営層、現場部門、そしてIT(デジタル)部門それぞれで、これまでの役割を超えた変革が必要となります。特にDXにおいて3点目のIT部門の役割は大きく、これまでシステム開発を外部委託に頼ってきた日本企業の最大の関門となっています。

海外では、全ての企業がIT企業となると言われているほど、企業にとってIT部門の重要性は高まっています。しかし、その重要なIT部門のコア業務を外部に委託しているようでは、IT企業にはなれません。

DXを見据えたシステム開発は、数年先を見据えつつ、非常に流動的で、スピーディーな対応を求められます。こういった開発にはシステム開発技術だけでなく、業務プロセスや企業の価値創造の本質を捉え、主体的に行動する事が求められ、委託先の外部の人間に求める範囲を超えています。

それでは、どのような人材を社内で育成したり、社外から獲得したりすれば良いのでしょうか・・・?

次回は、人材の見分け方、育成方法、社外からの獲得方法について紹介します。

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