今回は、自社の借入状況を確認する指標について書きたいと思います。決算後の試算表を使って見てください。
■借入総額÷年間売上高が50%以下であるか?
年間売上高の50%以上が借入だとかなり今後の返済が大変です。30%以下位が一つの良い目安です。
■現金預金÷総資産が10以上であるか?
最低でも10%で、15~20%を目標にしてください。30%以上は、理想的な会社です。
■自己資本比率(純資産÷総資産)が10%以上であるか?
自己資本比率が一桁代だと銀行から要注意となります。自己資本比率15~20%を一つの目安としてください。お金の出る節税は、自己資本比率が30%以上から考えると良いでしょう。理想は、40%以上です。
■売上高支払利息率(支払利息÷売上高)が1%以下であるか?
卸売業や小売業は、0.7%以下であるか?金利の負担が大きいと問題です。1.5%以上は、過剰債務の場合が多いです。金利の見直しを考えてください。
■債務償還年数が10年以下であるか?
債務償還年数=(有利子負債-運転資金)÷キャッシュフロー
有利子負債は、銀行からの借入金の事です。
運転資金は、(売上債権+棚卸資産)-仕入債務の事です。
・売上債権:売掛金、受取手形
・棚卸資産:商品、製品、原材料、仕掛品
・仕入債務:買掛金、支払手形
キャッシュフローは、税引前当期純利益+減価償却費の事です。税引前当期純利益ではなく経常利益を使う場合もありますが、ここでは、税引前当期純利益を使う事とします。
実際の例を見ましょう。
借入金5,000万円 運転資金1,000万円 キャッシュフロー500万円の場合
(5,000万円-1,000万円)÷500万円=8年
ここで一つの目安を話します。
債務償還年数は、10年以内が理想とされています。
年数を短くする為には、借入金を減らす事と税引前当期純利益を増やす事が大切です。銀行は貸して返せる会社へ融資をしたいのが本心です。最新の試算表からこの債務償還年数を計算してみてください。
時系列で分析すべき指標でもあるので、3~5年分の決算時点の債務償還年数の推移を見るとよいでしょう。
最近は、経営者保証を不要とする借入が増えてきました。経営者保証を不要とする要件は、以下の通りです。
- 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離。
- 法人と経営者間の資金のやりとりが社会通念上の適切な範囲内。
- 債務超過でない。一つの目安では、自己資本比率20%以上。
- 債務償還年数が10年未満。
- 連続赤字でない。
- (有利子負債―現金預金)÷(営業利益+減価償却費)が15以下
となります。
それでは。良い一日を!!