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個人事業主へ支払う際の外注費と給与の税務上の問題点(第29話)

2021/04/07

今回は、会社が個人事業主へ支払う外注費についての税務上の問題点を書いてみます。


外注費に関する税務上の問題点


外注費の場合は、消費税の仕入税額控除が出来るが、給与として認定されると消費税の仕入税額控除が出来なくなります。
つまり、10%の消費税率の仕入税額控除が否認となります。

もう一つは、個人事業主へ支払った外注費(源泉徴収漏れ若しくは源泉徴収が間違っている)が給与となった場合は、給与に対する所得税の源泉徴収漏れを指摘されます。

税務署は、外注費を給与と認定すると消費税と源泉税で追徴出来ます。
赤字の会社に税務調査に入っても税金を徴収出来ます。


外注費?給与?判断の基準


実際の実務では、外注費なのか、給与なのか、非常に難しいケースが多いです。以下の事項を総合勘案しながら外注費なのか、給与なのかを判断します。

  1. 請負契約書があるか?
    当たり前ですが、雇用契約書はダメです。最低でも契約書は作成してください。
      
  2. 契約の業務内容が、他人と入れ替わることが出来るものか?
    出来る場合は、外注費。
      
  3. 会社の指揮監督を受けないか?
    受けなければ外注費(午前10時~午後5時まで等の時間的拘束を受けない)。ケースバイケースで、時間的拘束のある外注費もありますが。
      
  4. 引き渡し前に完成品が不可抗力の為に滅失した場合の報酬は?
    請求することが出来ない場合は、外注費。従業員の場合は、働いた時間に対するものなので、滅失したとしても原則給与は貰える。民法の「請負」とは、当事者の一方が仕事を完成することを約し、相手がその結果に対して報酬を支払うことを約するとあります。
      
  5. 業務に必要な材料や用具等を誰が購入しているのか?
    外注先が材料用具を購入していれば、外注費。交通費を外注先が負担している。通常従業員の場合は、パソコン等の備品を会社で用意します。外注先(個人事業主)は、自分自身で用意します。ただし、業種や商慣習で交通費を外注費の支払元が負担する場合や、パソコンを貸与する場合もあるので、判断に迷うケースもあります。
      
  6. 仕事に失敗した場合は?
    失敗した損害を負担する場合は、外注費。通常従業員の場合は、会社が損害を負担します。最近の事例で言うと、出前館であれば給与で、ウーバーイーツであれば外注費です。

上記事例は一部分です。外注費で良いのか?給与で処理しなければいけないのか?の参考事例として書きましたが、税理士に必ず相談してください。

会社で雇っていた従業員に関して、会社の経費削減と社会保険料負担軽減のため、個人事業主として処理をしていた会社がありました。
注意点は、従業員が事業所得として確定申告していても、税務調査で給与所得と認定されれば、会社と個人の税金に相違が出ます。安易な考えで外注費として処理をせず、事実確認をしながら判断してください。

外注費か給与かの問題を無しにする方法は、外注先の個人事業主に法人になってもらう事です。

今回は、税務の注意点となりましたが、適正な処理の参考になればと思います。

それでは。良い一日を!!

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