ちょっと前のデータ(2024年2月)ですが、帝国データバンクが公表した景気動向調査によると景気動向指数(景気DI)が前月比0.3ポイント減の43.9となり、2カ月連続悪化となっています。景気が良い・悪い判断の分かれ目である景気DI値50を約5年連続で下回っています。
インバウンドで好調なサービス業は、景気DIは良いですが、他の業界では、景気DIが50未満となっています。
倒産件数も前年よりも増加しています。特にサービス業他(飲食業や建設業)が倒産件数増加です。一つの原因が人材不足や材料高騰による資金繰り悪化です。
■得意先の危ない兆候のチェックリスト
- 大口の得意先が無くなった。
- 売上高が急激に減少(増加)した。
- 支払期限の延長や支払の遅延があった。
- 代表者への連絡がなかなかつかない。
- 代表者が健康でない。入院している。
- 後継者がいない。
- 重要な社員や役員の退職。
- 従業員数の大幅な減少があった。
- 経理担当者が退職した。
- 会社の雰囲気が悪い。
- 取引銀行が変わった。
- 商工ローンを利用した。
- 社員が自社の悪口を言う。
- 赤字が続いている。(決算書を入手するのは難しいですが、建設業許可を受けている会社であれば、都道府県庁で決算書を閲覧出来ます。)
- 税金や社会保険料を滞納している。
上記内容があれば、社長、役員、営業社員、経理担当者で情報を共有しましょう。日々のアナログ的な動きも注意して得意先の変化をつかむのも大切です。
売掛金の管理について、与信管理とも言います。最初に、 得意先別売掛金管理表を作成してください。1社が全体の30%以上を占める場合には注意です。なるべく得意先は、分散すると良いです。経営方針で集中的に得意先を絞る場合は問題ありません。しかし、注意をしてください。会社毎の売掛金限度額を決めましょう。入金サイトをなるべく短くする努力をしましょう。
得意先が支払期限を守らなかった場合には、すぐに連絡してください。新たな支払期日や分割払いの回数を決めます。二度はないように伝えることも大切です。管理が厳しいところから支払われることも多いので、連絡はマメにしてください。回収出来ない場合は、一つの方法ですが、簡易裁判所の「支払督促申立手続き」をすると良いでしょう。弁護士に依頼しなくても自社で行うことも出来ます。
売掛金の時効は、民法改正で発生から5年となりました。売掛金の時効を防ぐには「時効の完成猶予措置」が必要です。請求書を何度も発行しても時効は更新されません。「時効の完成猶予措置」として得意先に債務を承認してもらいます。得意先へ債務残高確認書を作成し売掛金債務を承認してもらうことにより、時効を更新することが出来ます。先程の簡易裁判所の「支払督促申立手続き」でも時効の更新が出来ます。
【債務残高確認書の例】

年に2~3回位は、売掛金の与信管理の確認をすると良いと思います。