今回、高速道路のETC代について、国税庁からインボイスの保存対応の弾力的な措置を示しました。(令和5年9月15日)。
ETC代についてのインボイス取得方法は、ETCカードの種類によって違います。
ETCカードには、
①クレジットカード会社が発行するETCクレジットカード。
②ETCパーソナルカード事務局が発行するETCパーソナルカード。
③東日本高速道路㈱等が発行するETCコーポレートカード。
の3つがあります。
実務で多いのが、①ETCクレジットカードだと思います。②ETCパーソナルカードと③ETCコーポレートカードについては、事務局や高速道路会社等から利用者へ請求書が発行されるので、請求書を保存すれば大丈夫です。
実務上の注意点は、クレジット払いの場合は、クレジットカードの利用明細書だけでは、インボイスとなりません。
ETCクレジットカードでは、原則、利用者がHP上の「ETC利用照会サービス」に登録し、電子簡易インボイスとしてその全てのETC代に係る「利用証明書」をダウンロードする必要がありました。しかし、全ての内容を保存しなくても、クレジットカード会社からのETC代の利用内容が表示された「クレジットカード利用明細書」を保存し、「利用証明書」のダウンロードは、利用した高速道路会社等ごとに任意の1回分のみを保存すれば、その後に同じ高速道路会社等を利用した際の「利用証明書」の保存は不要となります。まとめると、定期的に受領する「クレジットカード利用明細書」と高速道路会社等ごとの任意の1回分の「利用証明書」を保存することによりETC代の仕入税額控除(インボイス)が認められます。
ここで細かい点ですが、基準期間(2年前)の課税売上高が1億円以下又は特定期間(前期の前半6か月)の課税売上高が5,000万円以下である場合、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの課税仕入について、一回の取引が税込価額10,000円未満については一定の事項(取引先名と内容等)が記載された帳簿のみで仕入税額控除が認められます。(インボイス不要)。
この内容が使える場合には、インボイス開始後6年間は一定の事項が記載された帳簿のみで仕入税額控除が認められます。

タクシー代について
従業員がタクシー代を立替えた場合には、従業員等に支給する出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当(出張旅費特例)が使えます。控除を受ける為には帳簿に「出張旅費等特例や従業員の出張旅費」と記載してください。会社のクレジットカードを使った場合には、出張旅費特例は使えません。
細かい話ですが、出張旅費特例が使えない場合には、税込価額10,000円未満のインボイス不要が使えるのかを考えます。使えない場合には、原則に戻ります。免税事業者やインボイス未登録の課税事業者からのタクシー代は、制度開始から3年間は、80%控除。その後の3年間は、50%控除となります。
ちょっと複雑な場合もありますが、確認をしながら適正な処理をしてください。